今年は戦後80年。
毎月お寺で開いている聞法会の場で、80代、90代の参加者の皆さんから自然と「子ども時代はああだった、こうだった」という話題が出ていました。とても貴重な内容だったので、夏のこどもの集いの時にお話しをしてもらえないか、3人の方にお願いしたところ、遠慮されつつも引き受けてくださいました。
7月31日(木)こどものつどいin徳泉寺。
夏休みの朝。6:30からラジオ体操や勤行、おにぎり&みそ汁の具バイキング、掃除、自主学習の時間を経て、10時。日程表には「おはなし(むかしのこどもたちより)」とあります。こどもの集いに参加してくれた皆さんと、およそ80年くらい前に同い年だった昔の子どもたちから、当時のお話をしてもらいました。
住職せっきーの進行で、3人のご門徒さんの紹介のあと、自分の子ども時代と今の子どもたちとの違い、あったものやなかったものについてお聞きしました。
・ホタルを見に行ったり、採ってきたホタルを蚊帳の中に入れて、暗い部屋の中で光る様子をながめたりした。
・米軍から学校に角砂糖が支給されていたが、生徒全員に配るには数が足りなかった。今のネコはどうかわからないけど、昔はネズミを捕る役割が大きく、捕ったネズミのしっぽを親に切ってもらって学校に持っていくと角砂糖がもらえた。今思うと気持ち悪いけれど、当時は何とも思わず、甘い砂糖がもらえることが嬉しかった。
・父親が兵隊に入った。服やコメなど配給の切符がないと何も手に入らなかった。
・農村だったので戦後とは言え、食べることにとても困ったということはなかったように思う。
・今のようにいろんな物はなかったけれど、学校まで歩いて行き帰りする道すがら、様々なものに出あえた。桑の実をとって遊んだり、虫や魚を見ることも今思うと勉強だったのだろう。自然がとても身近だった。
・大きい木にホタルが集まって夜に花が咲いたようだった。
・イモやカボチャを混ぜて炊いて米の量が少なくて済むように工夫していた。今では炊き込みご飯は御馳走かもしれないけれど、そうするしかなかったのだと思う。
・ガソリンなどもなくて、出火した火を消化する手段がなく、大火になっていくのを見ているしかなかった。
・物がないのは皆同じだから差はあまりなく、そんなものだろうと思って過ごしていた。だんだん復旧していって、物がなくて困ることがなくなっていったように思う。
・父が医者でいろんなところで仕事をしていた。
・実家は米屋だったから、米は比較的手に入った。戦争になって配給制度が始まり、うちの米屋が配給所になった。
・お正月に餅があっただけでも有難いことだが、塩餡だった。やっぱり餡子は甘い方がいい。
・お寺へのお墓参りが楽しかった。一番町から歩いて来て、あたりはお寺とお墓だらけ、当時はまだ仙石線が地上を走っていて警笛を鳴らして電車が通るのをながめるのが好きだった。
・国民学校に6年間通った。先生が一生懸命話している後ろに大きな世界地図が貼ってあって、話も聞かずにその地図ばかり見ていた。
・戦争が始まっても、大きなアメリカに小さな日本が柔道や相撲のように勝てるものだと思っていて、大変だと感じていなかった。
・仙台の一番町に住んでいて、仙台空襲の時に住む所を失った。
・戦後食べ物が少なく、山で採った山菜を食べたが、家族全員お腹が痛くなった。
低学年の子の「ソファーはありましたか?」という質問に。
・一般の家庭では見たことがないが、お医者さんや大学の先生の友達の家にはあった。
・テレビや電話もどの家にでもあるものではなかった。うちはたまたま町の親せきが新しくテレビを求めた時に古いものを譲ってもらったので村で初めてテレビがきた。
・私の町ではテレビも映画館のように、お金を出して見せてもらえるところがあった。
「ボールはありましたか?」
・野球は戦前もしていた。サッカーは戦後だったように思う。
・女の子たちは、千代紙でお人形を作っておままごとのようにして遊んでいた。
最後に子どもたちに一言を。
・小さなことから兄弟仲良く、家族仲良く、隣近所仲良く、国全体仲良く、世界中仲良くできるように願っている。
・幸せな現在を大切に。友達をいじめたりしないで元気に過ごしてほしい。
・地図は面白い。地図から様々なことが読みとれる。なぜ国が増えたり減ったりするのか、未だに答えはわからないけれど、皆さんも地図をみて考えて、いろんなことを学んでほしい。
お3方、たくさんのことを一生懸命、伝えて下さいました。
その時代に起きたことの中で、子どもたちはどう生きたのか。昔の子どもたちは、今の子どもたちに何を願うのか。
子どもたちと一緒に、中高大学生や大人も、考えさえてもらう貴重な時間をいただきました。
また、このような機会をもっていきたいと思います。本当に有難うございました。
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住職 | 徳泉寺 第17世住職 関口 真爾 せきぐちしんじ |
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