2024年08月14日 その他
今月のお寺 ≪徳泉寺≫
「誰かの帰れる場所の一つに」
桜も見ごろを迎える頃、仙台駅前に延びる宮城野通の寺社が立ち並ぶ一角にある徳泉寺を訪ねた。寺院の運営は住職さん、坊守さん、前住職さん、前坊守さんという4人体制で行 っている。
現住職の真爾さんは17代目で、前住職さんが70 歳を迎えた頃に住職を継承した。 2014年の継承式の時には満堂になるほど人が集まったのを見て、「確かな指針があったわけではないけど、お寺に期待して大事に思ってくれる人がこんなにもいて、これからはこの人たちとー 緒にやっていくのだな、という覚悟ができた日でした」とご自身の当時の気持ちを振り返った。
住職として、寺院の最新の近況やお知らせ したいことが届かないということが少しでも減るように、ホームページと寺報を作成。ご門徒さんからはお参りに行けない時でも見てますよ、読んでますよという声をいただいており、届けたい人 に届いていると感じているという。
毎月第二土曜日 に開いている同朋会は住職の祖父の代から続けている取り組みで、会の前半の法話を住職が、後半を前住職が担当し、終わりに茶話会をするという形式。参加者は二十名から三十名ほどで、毎回一名ほどは新しく飛び込みで参加される方がいる。仙台駅 から近いこともあり、掲示板を見て参加される方もいるそうだ。
他の取り組みについて尋ねると「疲れの多い世の中なのでそれがちょっと楽になるような、疲れた人に楽しさが届く場 所があると良いなという想いで 企画をしています」と坊守さん。 例えば、毎週木 曜日と第二第四日曜日に「寺子屋文庫」と題し て同朋会館の二 階を解放し、寺族の私物や寄付いただいた蔵書を読んでもらい、フリースペースとして活 用してもらう。「徳泉寺子どもの集い」とし て夏と秋を中心に子ども会を企画し、子どもたちの遊びの場を作るなど。広いスペースと駐車場、和室があるというお寺の強みを生かし、日頃のご縁の中で相談いただいたものを 膨らませる形で計画しているそうで、取り組 みの一つがさらに別の企画に発展することもあるという。
それぞれの取り組みの際にはなるべくご住 職の法話の時間もとることで、いのちの話を伝えるご縁にさせてもらっているとのことだ。「帰れる場所というのは浄土真宗でいえば阿 弥陀仏の浄土になるのだろうけど、僕らの身近な所に軽く顔が出せて安心できる場所がある。そんな場所の一つになれたら」と想いを聞かせていただいた。
(2024年7月1日発行 真宗7月号より)
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住職 | 徳泉寺 第17世住職 関口 真爾 せきぐちしんじ |
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前住職 | 徳泉寺 第16世住職 関口 秀和 せきぐちひでかず |
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