2022年12月15日 聞法
2022年11月同朋会 前住職法話 「関係存在の私」
人間とは一人で生きていくことはできません。自己存在であると同時に関係存在であるからです。
小川一乗先生が結婚式の祝辞の中で「結婚とは自分の思い通りにならない者が傍にいて、自分の思い通りにしたい心が見えてくる、そういうものです。」とおっしゃいました。
人間、思い通りにならないと「苦」になります。その苦しみはどこからくるのでしょうか。妻が夫を苦しめているのか、夫が妻をお苦しめているのか。いいえ、そうではありません。思い通りにしたい自分の心が自分を苦しめているのです。
人間とは共に生きるということが成り立たなくなると、一人一人の居場所がなくなり、生きていけなくなってしまいます。共に助け合って生きるということがどうしたらできるのか、という問題を持っているのが私たちなのです。そして浄土というのは、私たちが共に生きるところで生が成り立つ場所だと言えます。
（同朋会 前住職法話より 2022年11月12日）
