活動報告

2020年12月29日 聞法

「ジュタと三本脚のタマちゃん」坊守の独り言

2020年が終わります。一年前にはマスクがないと外出できない生活になるとは想像もしていませんでしたし、「どんなことでも起こり得るのが人生だ」という言葉をまた、噛みしめ直した一年でもありました。
わが家では長女が大学進学のため家を離れ、それと入れ替わるように二匹の保護猫を家族に迎えました。一匹は、車のエンジンルームに入り込んで大声で鳴いていた黒猫ジュタ(『寿多』喜びをたくさん運んでくれる猫)。そしてもう一匹は、瀕死で保護され、左後脚を断脚せざるを得なかった白黒猫タマ(『珠円』足りないところの何もない大切な宝物)。どちらもオス猫、共に保護当時生後三ケ月にも満たない小さな仔猫でした。

このジュタとタマちゃん、兄弟でもないのにとても仲良しです。天真爛漫怖いものなしのジュタと、慎重で愛情深くて意外と強気なタマちゃん。ほんの小さなときに過酷な経験をしたタマちゃんですが、ジュタのおかげで割とすんなり人間との生活にも溶け込み、おかげさまで毎晩私はこの二匹と丸くなって寝ています。

どんなことにも学びはありますが、この猫たちにも学ばせてもらうことがたくさんあります。タマちゃんは脚が一本ないので、ジュタのように高くジャンプすることができません。高いところで寛ぐジュタを下から見上げて「ニャン」と声をかけていることもあります。でも、そのことで卑屈になったりいじけたりすることは絶対にありません。踏み台を利用し遠回りをして自分の行けるルートでお気に入りの場所を確保して、とっても満足げに体をペロペロ舐めてすやすや寝ています。ジュタの方も、果たしてタマちゃんの脚が一本ないことに気づいているのかどうか?疑問ですが、そのことでタマちゃんを判断したり、過剰に気を遣ったりすることもなく至って自然に振舞っていますし、なんなら猫プロレスでは一本しかない後ろ足を狙って払い技をかけ、私が冷や冷やさせられています。

私たち人間はなかなかそういう訳にいきません。他人と比べ自分を卑下したり、病気やケガや外見でその人を判断したり。自然に振舞おうと思ってももう、そう思うこと自体が不自然なのでうまくいきません。では、猫になればいいのか。残念ながら人間は猫にはなれません。が、ウイルスや情報に怯え、思うようにいかない子育てや慌ただしい生活に疲れて、心乱される毎日に(猫ならどうするかな)と思ったりもします。

今年も大変お世話になりました。どうか穏やかにお過ごしください。

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