真宗大谷派 徳泉寺

お弟子さんがやってきた。

毎年、榴岡小学校の４年生が「弟子入り留学」という名で学区内の事業所や施設等へ出掛けて職場体験学習を行います。徳泉寺でも八年前から弟子を受け入れて半日一緒に過ごしています。弟子と言っても将来お坊さんになりたい子ども達が来るわけではなく、働くことの意義や大切さ、自分の適性や将来を見つけるための自分作り教育の一環として徳泉寺を選んでやってきます。

そんな子ども達ですが、弟子入り体験でやってみたいこととして一番多く挙げられるのが『掃除』です。（え、そんなこと？）と思いますが、本堂の清掃、境内の掃き掃除、お墓の草取りと子ども達は普段やったこともない場所の掃除を一生懸命やってくれます。それも楽しそうに。

普段の生活のなかで、ややもすれば面倒でやりたくないことの上位に来そうな掃除ですが、楽しむ心を持って行えば前向きな気持ちで取り組めて、すっきりと気持ちよい環境を手に入れることができ、そのうえ適度な疲れですがすがしくなり、なんとも良いことづくめだと気づかされます。

弟子入り留学では、半日で　①おつとめ　②法話　③掃除　④煎茶の入れ方　⑤生け花　⑥腕輪念珠づくり　を行い最後に一緒にお弁当を食べて帰ります。それぞれ普段の学校生活ではなかなか体験できないことばかりですが、どの行為のなかにも「お寺を訪れる方が気持ちよく過ごせるように」という「心」を持って行うのだ、ということを伝えています。お寺は仏法に出遭う場所であり、先祖を通して自分にであっていく場所でもあります。その場所をどのようにしつらえたらいいのか、私たちも毎年お弟子さんと再確認しています。