法話・今月の言葉


生活の中の仏教

2025年07月

物語から伝わること

東日本大震災から14年 3月は災害について考える月に

あの日のことは鮮明に覚えているのに、その記憶に歳月が降り積もり、気づけば14年。あの時こうだったんだ、と伝える言葉が少しずつ物語のようになってきたことを感じます。

絵本『花さき山』『半日村』などで有名な「斎藤隆介作・滝平二郎作画」の絵本のなかに『八郎』『三コ』というお話があります。

どちらも舞台は秋田県。『八郎』では八郎という名の大男が村を津波から守るために、『三コ』では三コという名の大男が山火事からまた別の村を守るために命を掛けるというお話しです。幼い頃、この絵本を読んだ時には、(何とも切ない話だなあ。)と思っていたのですが、先日の大船渡での山火事を知ってからは、『八郎』も『三コ』も、実際に自然災害にあった先人たちが口伝として残したものではないかなあと思う様になりました。

人は大きな自然の前にはとてもか弱く非力です。普段はこんなに自分勝手に便利な生活を送っているにも関わらず、山にいったん火が付けば、雨が降るのを祈ることしかできません。私たちは自分のこの小さな命を抱えて、大きな自然の摂理の中で足をしっかり踏みしめながら生きることしかできないのだと教えられている気がします。

仏教も2500年前のお釈迦様の教えが物語となって伝わってきたものです。そのお話しの中にある真実に耳を傾け、目を凝らしていきたいと思います。

(『徳報』3月号 坊守記事より 2025.4)

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