法話・今月の言葉


生活の中の仏教

2023年05月

聞法(もんぽう)ということ

市民講座「親鸞に聞く」の講師を務めた時のこと。私自身の経験を交えながら法話をしたところ、感想文の中で「講師の体験談を聞きに来たのではない。親鸞聖人のことを聞きに来たのだ」と書いた方がおられました。親鸞聖人についてもっともっと知りたいと。

しかし聞法というのは「わたくし」を横においてするものではありません。「わたし」を常に問いながら親鸞聖人の説かれた阿弥陀の本願とはどういうことであるのか、私に阿弥陀はどのような願いを掛けくださっているのかを「親鸞聖人の教えに聞いてい」のが聞法です。

そのことなしにしていくら法話を聞いてもそれは知識にしかなりません。普段、自我にまみれて命いっぱい生ききりたいというわたしの命の本当の願いに耳を傾けられないわたしが、聞法を通して命の願いを聞いていくのです。

(同朋会 前住職法話より 2023年3月11日)

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