2022年01月
『一休さん』で有名な一休禅師がお正月に浮かれる庶民に向けて「正月や 冥途の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」と読みながら頭蓋骨のついた杖を突いて京都の街を歩いたというお話しがあります。昔は大晦日に一つ歳を重ねましたから、一つ歳を取るということは、死に一つ近づくということですよ、浮かれてばかりはいられませんよ、という戒めの意味を込めたのでしょう。
もちろん、お正月を祝っていけない、と言っているのではありません。私たちは自分が一番見えません。人ばかり見ている。ですから思い通りにならないことがいっぱい出てきます。この時に、実は思い通りにならないことがあるのではなく、思い通りにしたい自分がいると気づかされるわけです。いつか頭蓋骨になる私がどこにいるのか、今年も聞法をしながら知っていきたいと思います。
(修正会 前住職法話より 2022年1月1日)
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