法話・今月の言葉


生活の中の仏教

2022年01月

要(かなめ)

12月の書道のイベントで今年の一文字として『要』の字を書かせてもらいました。「不要不急」が言われるなか、何が「要」で何が「急」なのか、たくさん考える機会をいただきました。

例えば葬儀は「要」「急」のこととして規模は小さくしても執り行われました。結婚式やご法事は延期も多く、「要」だけれども「急」ではなかったのかもしれません。食事会、カラオケや旅行などは「不要不急」として自粛が続きました。だけれど、人と会う、旅に出たりコンサートで音楽を聴く、カラオケにいく、これらのことは本当に不要不急と言っていいものだったのでしょうか。あらためて人と会う、語ることの大切さを考えさせられました。

「要」は扇の要(かなめ)の部分を指します。これが外れると扇全体がバラバラになってしまう大切な場所です。私たちは何を「要」として生きていくのか。私たちにとって本当に何が「要」と言えるのか。この変わりゆく生活の中で一人ひとりに問われているように感じます。

(修正会 住職法話より 2022年1月1日)

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